ハヤトウリ大豊作の巻
こんにちは、【EM研究所】営業課のやまちゃんです!
EMを使って家庭菜園を楽しんでいるお宅へお邪魔しました~!
今年は虫が多くて大根は蒔き直したそうですが、白菜やキ……
目次
EM研究所の津曲(つまがり)です。私は長年、微生物の力を活かした土づくりに取り組んできました。今日は、私がおいしい野菜づくりでいちばん大切だと考えている「種(たね)」と「土の中の微生物」について、少し専門的な話も交えながらお話しします。
野菜の味や育ち方は、品種や肥料だけで決まるわけではない——私はそう考えています。同じ品種でも、育てる土の状態、とくに土の中にすむ微生物の豊かさによって、味は大きく変わってきます。
土の中には、細菌・カビ(糸状菌)・放線菌など、数え切れないほどの微生物がくらしています。これらがバランスよく多様にすんでいる土は、いわば「その畑ならではの生態系」です。長く手をかけた畑ほどその土地らしい味が生まれるのは、こうした微生物の環境が関係しているのだと、私は感じています。
植物の根のすぐ周りには、「根圏(こんけん)微生物」と呼ばれるたくさんの微生物がすみついています。私が興味深いと思うのは、この根の周りの微生物が、根から少し離れた土(バルク土壌)とはまた違う顔ぶれになることです。
なぜ違いが生まれるのか。植物は根から糖やアミノ酸などの「根の分泌物」を出しており、それをエサにする微生物が根の周りに集まってくるためです。近年の研究では、植物はこの分泌物を通じて自分に役立つ微生物を”呼び寄せて”いると考えられており、根圏の微生物群は「植物の第二のゲノム」とも呼ばれるほど、生育や病気への強さに深く関わるとされています(Berendsenら, 2012 ほか)。
ここからは、私が長年考え続けている仮説です。私は、この根の周りの微生物の一部は、じつは種そのものに由来しているのではないかと考えています。種が親から子へ受け継がれるとき、その土地で育つのに役立つ微生物の情報も、いっしょに受け継いでいるのではないか——そう思うのです。
じつはこれは、近年の植物微生物学でも活発に研究されているテーマだと知りました。種子の内部には「種内生菌(シードエンドファイト)」と呼ばれる微生物がすんでいて、その一部が親から子の世代へと種を通じて受け継がれる(垂直伝達)ことが、さまざまな作物で報告されています。たとえばイネでは、複数の細菌や糸状菌が親から次世代の種子へ一貫して受け継がれることが確認されています。
種由来の微生物が、品種の個性や、暑さ・病気への強さにどこまで関わっているのかは、まだ解明の途上です。それでも「種が微生物を運ぶ」という私の実感が、最新の研究の方向と重なっていることを、私はとても心強く感じています。
私が「自家採種(じかさいしゅ)」——自分の畑で採れた野菜から種を採り、翌年もその種をまくこと——を大切にしているのも、この考えがあるからです。
同じ畑で種を採り続けていくと、その野菜は少しずつ「その土地・その畑の環境」になじんでいきます。もし種が微生物を受け継いでいくのだとすれば、自家採種は「その畑に合った微生物ごと、次の世代へ引き継いでいく」営みだと、私は考えています。
私の母が作っていた絹さやは、何年たっても忘れられない味でした。母は、育てた絹さやの種を採り、翌年その種を蒔いてまた育てる。これを繰り返し育てていました。何年も種を採り、育て続けていたからこそ、あの味が生まれたのだと、今になって思います。市販の種でも家庭菜園は十分に楽しめますが、「自分の種を育てていく」という視点を持つと、家庭菜園はまた一段と奥深いものになります。
では、その「豊かで複雑な微生物の環境」は、どうすれば育てられるのか。私たちEM研究所が注目しているのが、光合成細菌などの微生物を炭(すみ)にしみ込ませて土に入れるという方法です。
炭が微生物のすみかになりやすいことには、科学的な裏づけもあります。炭は無数の小さな穴(細孔)を持つ多孔質な素材で、その穴が微生物のすみかとなり、乾燥や天敵から守ったり、炭素やミネラルの供給源になったりすることが、複数の研究で報告されています。土に炭を入れると微生物の多様性が高まる例も知られています(ただし効果は土や条件によって変わります)。
私自身、畑でこんな経験をしています。炭を入れた場所から菌と根が絡み合ったかたまりが現れたり、収穫したさつまいもの表面に白いカビ(菌)がたくさん見られたり——それまで見られなかった変化が見られました。土の中から白カビが生えたサツマイモが出てきたときは一見「傷んでいる」と思ってしまいそうですが、私は、それは土の中の菌が元気にはたらいているサインではないかと感じています。
※ 炭やEMの活用、さつまいもの例は、私(津曲)の考え方や畑での観察にもとづくものです。すべての環境で同じ結果になるとは限らず、効果を保証するものではありません。

菌と根が絡み合ったかたまり。ぽつぽつ見える白いところが菌糸
おいしい野菜づくりは、品種や肥料だけの話ではありません。私は、種と、土の中の微生物という「目に見えない主役」を大切にすることで、家庭菜園はもっと豊かで楽しいものになると信じています。まずは土づくりから、そして少しずつ自家採種にも挑戦しながら、「自分の畑の味」を育ててみてください。
(EM研究所 津曲)
本記事の背景にある、種や根の微生物に関する研究の一例です(いずれも英語の論文・総説)。
※ これらは一般的な植物・土壌微生物の研究であり、特定の商品の効果を示すものではありません。