冬の畑を裸にしない|刈り草・落ち葉マルチで春の土を守る

目次

秋の収穫が終わった畝を、土がむき出しのまま冬越しさせていませんか。
裸の土は、冬の雨で表面が締まり、乾燥と寒さで微生物が減り、春には雑草が先に芽を出します。
結論から言うと、収穫が終わった畝は100倍に薄めたEMガーデン(水5Lに対して50ml)をたっぷりかけて、刈り草や落ち葉で覆っておくのがおすすめです。
これだけで、せっかく育ててきた団粒構造と微生物を守ったまま春を迎えられ、次の土づくりがぐっと楽になります。

裸の土で冬を越すと、春までに土が固くなってしまいます

土は、何も植えていないあいだも変化し続けています。
むき出しの土を冬のあいだ放置すると、次のようなことが起こります。

  • 雨粒で表面が締まる:雨が直接当たると土の粒がほぐれて隙間をふさぎ、乾くとカチカチの膜になる
  • 団粒が壊れる:水はけ・水もちのよい「土のおだんご」が、雨と乾燥の繰り返しで崩れていく
  • 微生物が減る:エサになる有機物がなく、乾燥と寒さにさらされて、土の中の微生物や土壌動物が少なくなる
  • 雑草が先に芽吹く:春になると、光の当たる裸の土から雑草が一斉に出てくる

自然の森の土が一年中ふかふかなのは、落ち葉が絶えず地面を覆い、微生物のエサと住みかになっているからです。
畑でも同じように、土を裸にしないことが土づくりの基本になります。
「耕さない」「土を覆う」を軸にした自然農法の考え方とも共通する部分です。

刈り草・落ち葉で覆うと、微生物のエサと住みかになります

土の表面を刈り草や落ち葉、ワラなどで覆うことを「敷き草」や「有機マルチ」と呼びます。
黒いビニールマルチと違い、覆った材料そのものが少しずつ分解されて、微生物のエサになるのが特長です。

  • 雨粒が直接当たらないので、土の表面が締まらない
  • 地温の急な変化と乾燥をやわらげ、微生物が冬でも働きやすい
  • 光をさえぎるので、春の雑草が生えにくい
  • 分解された草や葉が、春の土づくりの有機物として土に還る

材料は、畑の周りの刈り草、庭の落ち葉、稲ワラ、収穫が終わった野菜の茎葉など、身近にあるもので十分です。
種のついた雑草だけは、春に雑草が増える原因になるので避けてください。

わらマルチ

 

収穫後の畝を冬支度する手順(畑・地植えの場合)

1.収穫残渣を片づける

コマツナやホウレンソウなどの葉物は、畝の上の残渣を取り除きます。
キャベツやハクサイのように残渣が多いものは、根を引き抜いて土を落とし、堆肥の材料にするか、畑の隅に積んでおきます。
根が細かい野菜は、根を引き抜かずにそのまま残しておくと、分解されて土の通り道になります。

2.畝をならして、100倍のEMガーデンをたっぷりかける

畝の表面をざっとならしたら、100倍に薄めたEMガーデン(水5Lに対して50ml)を、1㎡あたり1Lを目安にたっぷりかけます。
100倍は土づくりに使う倍率で、残った根や有機物を微生物が分解しやすい状態に整えます。
覚え方は、土づくりには100倍、普段の水やりには500倍です。

EMは水やりの時に薄めるだけの簡単な微生物資材

EMは水やりの時に薄めるだけの簡単な微生物資材

3.刈り草や落ち葉を5cmほどの厚さで敷く

EMガーデンをかけた畝の上に、刈り草や落ち葉を5cmくらいの厚さで敷き詰めます。
薄すぎると土が見えて効果が弱く、厚すぎると春に片づけるのが大変なので、土が見えなくなる程度が目安です。
刈り草は、1〜2日天日で枯らしてから敷くと良いでしょう。

4.風で飛ばないように押さえる

落ち葉は風で飛びやすいので、上から畑の土をぱらぱらとかけるか、稲ワラや防風ネットで押さえておきます。
冬のあいだに敷き草が薄くなってきたら、足しておきましょう。

5.春は敷き草を脇に寄せるか、すき込む

春の植え付けが近づいたら、分解が進んで薄くなった敷き草は、そのまま土にすき込んでかまいません。
まだ形が残っているものは、畝の脇に寄せて、そのまま夏野菜の株元の敷き草として使い続けられます。
すき込む場合は、植え付けの2週間〜1か月前に、完熟堆肥やEMボカシⅡ型と一緒に混ぜ込み、100倍のEMガーデンをかけて土づくりを済ませておきます。

乾燥させた刈り草

 

プランターの場合は、土を裸のまま放置しないことが基本です

ベランダのプランターも、土をむき出しで冬越しさせると、乾燥で微生物が減り、春にカチカチになりがちです。
プランターの場合は、次のどちらかを選びます。

  • そのまま覆って休ませる:表面に落ち葉や刈り草を2〜3cm敷き、月に1〜2回、500倍のEMガーデン(水5Lに対して10ml)で軽く湿らせる
  • 土を再生する:古い土をふるいにかけ、完熟堆肥やEMボカシⅡ型を混ぜて100倍のEMガーデンで湿らせ、袋やプランターに戻して春まで寝かせる

病気や害虫が出たプランターの土は、覆うよりも再生や寒起こしでリセットするほうが向いています。
詳しくは冬の間、プランターの土は「そのままで」いいですか?をご覧ください。

「寒起こし」と「覆う」は、土の状態で使い分けます

冬の土づくりというと、土を掘り返して寒気にさらす「寒起こし」を思い浮かべる方も多いと思います。
どちらが正しいというより、土の状態で使い分けるのがおすすめです。

  • 寒起こしが向く土:粘土質でカチカチに固まっている、病気や害虫が出た、まだ有機物をほとんど入れていない土
  • 覆って守るのが向く土:堆肥やEMボカシⅡ型を入れて団粒ができてきた、微生物が育ってきた土

せっかく団粒構造ができてきた畝を掘り返して裸にすると、微生物のすみかを壊してしまいます。
「去年から有機物を入れて、土が柔らかくなってきた」という畝は、掘り返さずに覆って春を待ちましょう。

緑肥をまいて「生きたマルチ」にする方法もあります

刈り草や落ち葉が足りない場合は、ライ麦やエンバクなどの緑肥(りょくひ)の種を畝にまいて、冬のあいだ生やしておく方法もあります。
根が土を耕し、地上部が土を覆い、春に刈り倒せばそのまま敷き草になります。
種まきは、暖地なら11月上旬ごろまでが目安で、種をまいたあとに500倍のEMガーデンで水やりをしておくと発芽がそろいやすくなります。

まとめ

  • 裸の土で冬を越すと、雨で表面が締まり、団粒が壊れ、微生物が減って、春に土が固くなる
  • 収穫後の畝は、残渣を片づけて100倍のEMガーデン(水5Lに50ml)をかけ、刈り草・落ち葉を5cm敷く
  • プランターも土をむき出しにせず、覆って休ませるか、再生して寝かせる
  • 寒起こしは固い土・病気が出た土向け、団粒ができてきた土は掘り返さずに覆う
  • 春は敷き草をすき込むか脇に寄せ、100倍のEMガーデンで土づくりをして植え付けへ

よくある質問

落ち葉を敷くと虫がわきませんか?

ダンゴムシやミミズなどの土壌動物は集まりますが、これらは有機物を分解して土を豊かにしてくれる仲間です。
病気で落ちた葉や、生の野菜くずを厚く敷くと腐敗して虫が寄りやすいので、乾いた落ち葉や枯らした刈り草を使ってください。

黒いビニールマルチで覆うのではだめですか?

雨よけと雑草対策にはなりますが、ビニールは微生物のエサにならず、土に空気も入りにくくなります。
冬のあいだ土を育てたいなら、分解されて土に還る刈り草・落ち葉・ワラなどの有機マルチがおすすめです。

敷き草の下がカビているのですが大丈夫ですか?

白いカビ状のものは、有機物が分解されているサインなので問題ありません。
黒っぽいカビや腐敗臭がするときは水分が多すぎるので、敷き草を一度めくって乾かし、薄く敷き直してください。

冬のあいだ、覆った畝に水やりは必要ですか?

基本的に雨まかせで大丈夫です。
晴天が続いて敷き草の下まで乾いているときだけ、500倍のEMガーデンを軽くかけて湿らせておくと、微生物の働きが続きます。

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参考文献:『EMでつくるいきいき家庭菜園』(EM研究所)
https://emlabo.co.jp/product/3273/

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