秋の土づくりに石灰は必要?土が固くなる理由と代わりの資材

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結論から言うと、秋の土づくりで「とりあえず石灰」をまく必要はありません。
石灰が必要かどうかは、土のpH(酸性かどうか)を測ってから決めます。
測ってみてpHが5.0〜5.5と酸性に傾いていたら、貝化石やカキガラ石灰などの穏やかな石灰を1㎡あたり100〜200g入れます。
一方、苦土石灰(くどせっかい)や消石灰(しょうせっかい)は土を固くする性質があるため、有機栽培・EM栽培ではおすすめしていません。
「土が固いから石灰で改良しよう」と考えている方は、石灰ではなく有機物と微生物で土をふかふかにしていきましょう。

石灰の役割は「酸性の中和」と「カルシウムの補給」の2つです

そもそも石灰は、なぜ土にまくのでしょうか。
役割は大きく2つあります。

  • 酸性に傾いた土を中和する:日本は雨が多く、土のカルシウムなどが流されて酸性に傾きやすいため、作物が育ちやすい弱酸性(pH6.5前後)に戻す
  • カルシウムを補う:トマトの実が太る時期や、ダイコン・イモ類が肥大する時期にカルシウムを必要とするため、養分として少量ずつ与える

つまり石灰は、「土を柔らかくする資材」ではありません。
土が固い原因は、有機物が少なく団粒構造ができていないことにあるので、石灰では解決しないのです。

苦土石灰・消石灰をまき続けると、土が固くなりやすくなります

ホームセンターで手に入りやすい苦土石灰や消石灰は、水に溶けやすく、土の中で急激に反応します。
このとき、土の粒同士を締め固める方向に働くため、毎作まき続けていると土が固く締まっていきます。
さらに、pHが急に変わることで、土の中の微生物にとっても住みにくい環境になります。

特に、化学肥料だけで栽培を続けながら、毎年春と秋に石灰をまいている畑では、有機物が補われないまま土が締まっていく悪循環が起きやすくなります。
「石灰をまいているのに、年々土がカチカチになる」と感じている方は、この状態かもしれません。

まず土のpHを測ってから、必要な分だけ入れます

石灰が本当に必要かどうかは、pH検査器(ホームセンターや園芸店で1,000円台から手に入ります)で測ればすぐに分かります。
作物の生育に適した土のpHは、6.5前後の弱酸性です(作物によって多少の違いがあります)。

土に挿した土壌酸度計

  • pH6.0〜7.0:石灰は不要。有機物と微生物の土づくりだけ行う
  • pH5.0〜5.5:酸性に傾いているので、貝化石やカキガラ石灰を1㎡あたり100〜200g入れる
  • プランターの市販培養土は、あらかじめpHが調整されているものが多いので、石灰は基本的に不要

貝化石やカキガラ石灰は、天然の石灰分やミネラルを含み、土の中でゆっくり溶けてpHを穏やかに整えます。
急激に反応しないので、土を固くしにくく、微生物の環境も乱しにくいのが特長です。

EM栽培流・秋の土づくりの手順(石灰の代わりに有機物と微生物を入れます)

秋冬野菜の植え付けや、来春に向けた土づくりは、次の手順で行います。
夏場は植え付けの2週間以上前、気温が下がる秋から冬は1〜2か月前に済ませておきましょう。

畑に積んだ完熟堆肥の山

1.完熟堆肥とEMボカシⅡ型を土に入れる

1㎡あたり完熟堆肥を1~3kg、EMボカシⅡ型を200〜500gを目安に土に入れます。
やせた土の場合は、EMボカシⅡ型を500gくらい入れましょう。
水はけ・水もちの悪い土では、完熟堆肥を多めにし、もみ殻くん炭を加えると改善しやすくなります。

EMボカシⅡ型を手ですくったところ

2.pHが低ければ貝化石やカキガラ石灰を加える

pHを測って5.0〜5.5だった場合だけ、貝化石やカキガラ石灰を1㎡あたり100〜200g加えます。
貝化石は堆肥やEMボカシⅡ型と同時に入れて問題ありません。

3.EMガーデンをまいて深めに耕す

資材を入れたら、100倍に薄めたEMガーデン(水5Lに対して50ml)を、1㎡あたり1Lを目安にまきます。
そのあと、備中鍬やスコップで深めに耕して全体をなじませます。
有機物を微生物が分解するときに出る糊のような物質が土の粒をくっつけ、団粒構造のふかふかした土になっていきます。

覚え方はシンプルで、土づくりには100倍、普段の水やりには500倍です。
植え付け後の水やりには、水5Lに対してEMガーデン10mlの500倍液を使います。

4.プランターの場合

市販の培養土なら、石灰は入れずにそのまま使えます。
去年の土を再利用する場合は、完熟堆肥をひと握りと、100倍に薄めたEMガーデンを全体が湿るくらい与えて、2週間ほど置いてから植え付けます。
pHが気になるときは、貝化石やカキガラ石灰をひとつまみ混ぜる程度で十分です。

カルシウム補給が目的なら、少量ずつ穏やかな石灰を使います

果菜類の実が大きくなる時期や、根菜・イモ類が肥大する時期には、カルシウムが必要になります。
この目的で石灰を使うときも、急激に反応する消石灰ではなく、ゆっくり溶けるカキガラ石灰や貝化石を少量ずつ株元に施し、EMガーデンを500倍に薄めてかけておくのがおすすめです。
一度に多く入れると土が締まり、微生物の環境も乱れるので、「少しずつ、様子を見ながら」を心がけてください。

まとめ

  • 石灰の役割は「酸性の中和」と「カルシウム補給」で、土を柔らかくする資材ではない
  • 秋の土づくりでは、まずpHを測り、5.0〜5.5なら貝化石を1㎡あたり100〜200g入れる
  • 苦土石灰・消石灰は土を固くする性質があるので、EM栽培ではおすすめしない
  • 固い土は、完熟堆肥3kg+EMボカシⅡ型200〜500g(1㎡あたり)+100倍のEMガーデンで、微生物の力でふかふかにする

よくある質問

石灰をまいた直後に植え付けてもいいですか?

消石灰を使った場合は、土の中で反応が落ち着くまで2週間以上空けてから植え付けてください。
貝化石やカキガラ石灰は反応が穏やかなので、堆肥やEMボカシⅡ型と同時に入れて、土づくりの期間(2週間〜1か月)を置けば大丈夫です。

有機石灰と消石灰は何が違いますか?

有機石灰(貝化石・カキガラ石灰など)は貝殻や化石が原料で、水にゆっくり溶けてpHを穏やかに整えます。
消石灰は石灰岩を粉にしたもので、効き方が早い分、土が締まりやすく、pHが急に変わりやすい特徴があります。

 消石灰と苦土石灰は何が違いますか?

どちらも、酸性に傾いた土を野菜が育ちやすい状態に整えるために使いますが、成分や効果の現れ方が異なります。
消石灰は、水酸化カルシウムが主成分です。アルカリ性が強く、土の酸性を比較的早く改善する「速効性」が特徴です。
苦土石灰は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主成分です。消石灰に比べて穏やかに作用し、野菜の生育に必要なマグネシウムも補給できます。

石灰とEMガーデンを同時に使っても大丈夫ですか?

貝化石やカキガラ石灰なら、同じタイミングで使えます。
消石灰を使う場合は、まいてから2週間ほど空け、そのあとで堆肥・EMボカシⅡ型・100倍のEMガーデンを入れてください。
アルカリの強い資材と微生物資材を同時に混ぜると、微生物が働きにくくなります。

プランターの土にも石灰は必要ですか?

市販の培養土はpHが調整されているので、基本的に不要です。
古い土を何年も使い回している場合だけ、pHを測って、酸性なら貝化石をひとつまみ混ぜてください。

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参考文献:『EMでつくるいきいき家庭菜園』(EM研究所)
https://emlabo.co.jp/product/3273/

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